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「脳男」と聞いて、いったいどんな人間を思い浮かべるのでしょう?私は最初フランケンシュタインのような怪物をイメージしていたのですが、全くの見当違いでした。この小説は首藤瓜於(しゅとううりお)氏の第46回乱歩賞作品です。首藤瓜於というペンネームもかなり奇抜で、由来や意味などを色々と調べてみましたが、結局謎のままです・・・自分なりに「人間の感情と論理と意志」をテーマにした作品から実は『首頭』なのではなどと勝手な想像をめぐらせています・・・ただ瓜於というファーストネームの意味も考えると何かのアナグラムなのかもしれませんが・・・
「彼は周囲のあらゆるデータを瞬時に取りこみ、記憶することができた。しかし、インプットされたデータは脈絡もなければ前後の区別さえもなく、索引も分類帰順もつけずに何万冊もの書物が放りこまれた巨大な図書館か、さもなければ途方もない演算能力を持っているにもかかわらず演算の目的がプログラムされていないコンピュータのように、頭脳のなかを膨大なデータが休みなくフローして行くだけで、それを一定の基準に基づいて分類し、行動に結びつけることができなかった。」という生まれながらにして脳に障害をもったひとりの男が爆破魔の共犯として逮捕され、病院で精神鑑定を受けることになるところからこの物語は展開して行く。
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