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すべてがFになる(1) 森 博嗣
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いまさら森博嗣もないだろう・・?といわれるかもしれませんが、私立文系の身としては、いくら本格好きとはいえ近づき難い存在であったことは確かです。書店や図書館の書架に燦然と並ぶハイセンスな装丁を横目で見ながらも、避けていたようなところがありました。ところが、行きつけの古本屋の100円コーナーに並んでいるのを見つけて、衝動買いをしてしまいました。100円コーナーに全巻が順序良く並んでいることはないので、適当に面白そうなタイトルを5・6冊選んだ訳ですが・・・ |
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最初に読んだのは「笑わない数学者」でした。N大学工学部助教授犀川創平と同大学学部生の西之園萌絵がクリスマスの夜に三ツ星館で起きる奇怪な謎を解いてゆくというストーリー。これなら私立文系の自分でも大丈夫かなって感じでしたが、性格的にこうしたシリーズものは初めから順に読まないと気がすまない性分で、デビュー作「すべてがFになる」を図書館で借りてしまったという次第です。
ところが、読み初めから「自然を見て美しいなと思うこと自体が不自然なんだよね」とか「だいたい自然なんて見せかけなんだからね」、という言葉が犀川助教授の口からポンポンと飛び出し、文系頭には「違和感あるなぁ」って感じでした。
原因はどうやら、この小説に登場する超天才プログラマー真賀田四季博士の言葉を借りると、「貴方……、頭の回転が遅いけど、指向性が卓越している。判断力が弱いけど、客観性は抜群だわ。たぶん、まだ何人かをお持ちでしょう?いろいろな犀川先生がおられるはずですよ……。貴方の回転の遅さは、貴方の中にいる人格の独立性に起因しているし、判断力の弱さは、その人格の視力が均衡しているからです……。でも、その独立性が優れた客観力を作った……。勢力の均衡が指向の方向性に対する鋭敏さを生むのよ。」ということになる犀川助教授独特の思考形態に対する無知と無理解から生じていたもののようです。文系頭には少しどころかかなり過激にも受け取れる犀川助教授の意見もそう考えると、租借して味わうことはできなくてもそのまま飲み込むことはできました・・・(笑) |
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原因はどうやら、この小説に登場する超天才プログラマー真賀田四季博士の言葉を借りると、「貴方……、頭の回転が遅いけど、指向性が卓越している。判断力が弱いけど、客観性は抜群だわ。たぶん、まだ何人かをお持ちでしょう?いろいろな犀川先生がおられるはずですよ……。貴方の回転の遅さは、貴方の中にいる人格の独立性に起因しているし、判断力の弱さは、その人格の視力が均衡しているからです……。でも、その独立性が優れた客観力を作った……。勢力の均衡が指向の方向性に対する鋭敏さを生むのよ。」ということになる犀川助教授独特の思考形態に対する無知と無理解から生じていたもののようです。文系頭には少しどころかかなり過激にも受け取れる犀川助教授の意見もそう考えると、租借して味わうことはできなくてもそのまま飲み込むことはできました・・・(笑)
ただ、「人間が生きていることがクリーンではありえない。我々は本来環境破壊生物なんだ。何万年も前に、我々は自然を破壊する能力によって選ばれた種族なんだ。」という言葉にはなるほどと思わざるを得ませんでした。人間は「火と道具と言葉を使う」ことで進化をしてきました。火を使うことは地球上に有害な二酸化炭素を増加させることだし、道具を作るには木や石や金属を大地から奪い取る行為なのですから。自然破壊生物としての人間と自然の共存は難しい課題ではありますが、それを解決するのもまた科学者の仕事でもあるのです。「僕ら研究者は何も生産していない。無責任だけが取り柄だからね。でも、百年、二百年先のことを考えられるのは僕らだけねんだよ。」という言葉の裏側にそうした考えも含まれていると願いたいものです。。 |
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