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それと『死の秘宝』ではペチュニア叔母さんの存在も重要になってきそうな雰囲気があります。『不死鳥の騎士団』の冒頭で、ダーズリー叔父さんがハリーを追い出すことを強行に拒んだのもペチュニア叔母さんでした。『不死鳥の騎士団』のラストでダンプルドアは「あやつ(ヴォルデモート)は、その魔法を過少評価してきた。――身をもってその代償を払うことになったが。わしが言っておるのは、もちろん、君の母上がきみを救うために死んだという事実のことじゃ。あやつが予想もしなかった持続的な護りを、母上はきみに残していかれた。今ただ一人の血縁である妹御のところへ、きみを届けたのじゃ」とハリーに告げる。「叔母さんは僕を愛していない」と反論するハリーにダンプルドアは「きみが、母上の血縁の住むところを自分の家と呼べるかぎり、ヴォルデモートはしこできみに手を出すことも、傷つけることもできぬ。ヴォルデモートは母上の血を流した。しかしその血はきみの中に、そして母上の妹御の中に生き続けている。母上の血が、きみの避難所となった。(中略)きみの叔母さんはそれをご存知じゃ。家の戸口にきみと一緒に残した手紙で、わしが説明しておいた。叔母さんは、きみを住まわせたことで、きみがこれまで十五年間生き延びてきたのであろうと知っておられる」と優しく語って聞かせるのです。ハリーの母親リリーの唯一の血縁であるペチュニア叔母さんの役割も大きなものになるに違いありません。
最終巻『死の秘宝』を読む前に、第一巻『賢者の石』からもう一度シリーズを通して読み直してみることも必要なのではないでしょうか?作者の脳裡には最初から最終巻のラストシーンが頭にあったということですから、そこへ行き着くまでの様々な謎やヒントが個々の作品に含まれているはずです。10年という長い歳月が経過し、各巻の記憶も薄れ始めているに違いありませんから。邦訳を待たれる方はまだ半年もの時間があるのですから、是非『賢者の石』から『謎のプリンス』までの再読をお勧めしたいと思います。幸い第4巻の『炎のゴブレット』までは廉価版のペーパーバックが出版されています。私はといえば“Deathly Hallows”の原書読解のために、第1巻から原書を読み始めています。原書の文章と邦訳の文章の読み比べていると訳者の苦労が良く判りますね。
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