優しい時間(1)

 

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 「澄んだ作品が書きたかった。/物を創るには技術と心、二つのものが必要だと思うのだが、人の心を搏つ為には、技術を心が超えていなければならないと、常々僕は考えている。技術を磨くのは勿論のことだが、技術が少しでも高まればそれを超える心を磨くかなければならない。人里を離れて自然の中に暮らし、毎日森を見て生きて来たことがどれ程それを助けてくれたことか。/人の心を洗う為に、僕は作品を書こうと思っている。いわば心の洗濯屋である。森に住んでいる洗濯屋の親爺である」
この一文は『優しい時間(SCENARIO 2005)』の倉本聰のあとがきの冒頭である。このドラマが2005年にフジテレビ系列で放映されたことはご存知と思う。私は仕事の関係で2005年の時点ではほんの数話しか見ることができなかったのだが、再放送は全て録画し、あらためてじっくりと見直すことになった。
ここ数年はCATVでFOXやAXNなどの海外ドラマばかり見ているが、フジテレビ系のドラマだけは『救命病棟24時』、『白い巨塔』、『Dr.コトー診療所』と見逃さずにきている。『24』や『LOST』、『CSI』といった海外ドラマに比べると迫力も精緻さも及ぶべくもないが、『白い巨塔』を除く三作は、現在のアメリカドラマには決してみられない「心の洗濯屋」的な要素が残っているような気がしている。
あとがきの冒頭に続く「一千万、二千万というテレビドラマの視聴者の、夫々が拭いがたい心の汚れ、憂さ、苦しみ、或いは悲しみ、棘の痛みを、作品を通して少しでも洗い流してさしあげることが自分の仕事だと僕は思っている。即ちテレビを見、或いはシナリオを読んで下すった後、深く良い眠りにつけることのみを願っている」という倉本聰の言葉が代弁してくれているように思う。近頃睡眠障害気味で、睡眠薬を常用するようになっているが、へたな睡眠薬より『優しい時間』の方が睡眠効果があるような気さえしている。
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