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 チームバチスタの栄光(5)

 

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 麻酔医の氷室は第二助手の酒井医師と共に犬を使ったバチスタの研究をしていた。その死んでゆく犬たちを眺めているうちに、氷室の中に「どこが違うんですか。僕たちは医学の進歩のために、イヌの命を奪う。ヒトの命だって同じことでしょう?」と考えるようになったと白鳥に告白する。「死は、特別なものじゃない。あちこちの街角にごろごろしている。ヒトは死ぬ。そこに意味はない。ただ、死ぬ。遅いか、早いかの違いがあるだけ。病に倒れるということは、無に還れという天からの使命です。それをヒトの力でねじまげようとする方が傲慢だ」と言い切る氷室。

 さらに「(前略)普通のヒトがヒト殺しをしないのは、単にチャンスと勇気がないだけ。もし、眼の前に機会があれば、誰でも普通にヒトを殺してしまうんです。その証拠に、殺人事件はあちこちで毎日起きているじゃないですか。

 彼らは時として、実に他愛もない理由でヒトを殺す。必要なのは、合理的で強力な動機なんかじゃない。ほんの少しだけ背中を押してくれる、ささやかなきっかけなんです。それさえあれば、ヒトはたやすくヒトを殺してしまう。

 それは当たり前のことなんです。だって、ヒトは何かを殺さなければ生きていけない生き物なんですから。僕から見れば、ヒトの命を守るために死に物狂いで努力できる、桐生さんの方がよっぽど異常人格に見える」とさえ言うのです。

 ところが、氷室は術死第一例目は自分の仕業ではないし、「術死第二例目、ケース29は僕の医療ミスです。(中略)あの日は始めから変でした。気がついたら硬膜チューブをいつもより深く挿入していました。テープを固定した後に気づきました。ただ、エピドラを使わなければ支障ないので放置しました。手術の途中でチューブを抜く方がはるかに危険です。計算すると、挿入チューブの尖端は大脳の近傍、脳幹下端に届いていることがわかりました。(中略)そんな中、僕は重大なミスを犯した。うっかり、エピドラからマーカインの代わりに純エタノールを大量に注入してしまったのです」と言い、自分が意図的に殺したのは最後の三例目だけだと主張する。

 白鳥本人も氷室の言葉がどこまで本当なのかは分からないままこの小説は幕を下ろす。そして、「これじゃあ、医者も壊れるぜ」白鳥の最後の言葉が非常に印象的だった。その理由は「大学執行部の旧体質。麻酔医の激務。外科医の傲慢。研修医の憂鬱。拝金主義の経営陣。権利ばかり振り回す患者たち。氷室の言葉は、そうした現在の医療の現状の、ある一面を見事に切り取っていた」からだと白鳥が受け取ったからでした。

 犯行の発覚はAiを使った解剖前の画像検索で判明した。ただ、その後が少し冗長になり過ぎていたような気がしている。もう少しスッキリしたエンディングであっても良かったのではないでしょうか?

 氷室との最後の会話も白鳥に最後に「これじゃあ、医者も壊れるぜ」と作者が言わせたかったためなのだろう。それと氷室の言葉を読者によくかみしめてもらいたかったこともあるのでしょう。医者の現状を知っている海堂氏にとっては、氷室の心境はとても他人事とは思えなかったに違いない。だから彼は「狂った」という言葉は使わず「壊れた」と表現したに違いない。

 だから彼は「狂った」という言葉は使わず「壊れた」と表現したに違いないと私は推測しています。

 この連載はこれで終了させて頂きます。

 たまたま週間朝日を読んでいたら、『チームバチスタの栄光』の映画監督と原作者の対話が掲載されていました。

 この映画の監督は中村義洋氏で伊坂幸太郎原作の『鴨とアヒルのコインロッカー』の映画化などで有名な監督です。文芸作品の映画化には定評のある監督のようで、次回作は芥川賞受賞作の映画化だそうです。

 原作者の海堂氏が驚いていたのは田口が女医になっていたことらしいのですが、竹内結子の魅力に負けて違和感なく見られたそうです。原作者がそういうのですから・・・信じるしかないでしょう。

 それと医療監修には日本で始めてバチスタ手術を成功させた、須磨久喜医師でかなり徹底した医療指導がバチスタチーム組にはあったそうです。それだけオペシーンには迫力があるはずです。

 須磨久喜医師はTVドラマの『医龍』でも医療監修をされていましたが、TVドラマであの迫力なのですから、映画ならどんなでしょう?見る気のない映画を今ではすっかり見る気になっている私です。

 白鳥圭輔役の阿部寛のおとぼけぶりも見ものだそうです。原作者が次はどうなるのだろう?とハラハラしたというのですから、見る価値ありと判断しました。
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